
ChatGPTを使い続けていると、チャットの数がどんどん増えて「あのやり取りどこだったっけ」と探すのが大変になってきます。仕事ごと、テーマごとに整理できたらいいのに、と感じた方も多いはずです。
そんな使い方をしたい方に向けて、ChatGPTには「プロジェクト」という機能があります。チャットを整理するだけでなく、プロジェクトごとに設定やファイルを保存しておける機能です。使い始めると、ChatGPTをより計画的に活用できるようになります。この記事では、プロジェクト機能とは何か、何ができるのか、どう活用すればいいかを説明します。
プロジェクト機能とは何か
ChatGPTのプロジェクト機能とは、目的ごとにチャットをまとめて管理できる機能です。
たとえば「SNS運用」「メール対応」「スタッフ研修資料」のようにプロジェクトを作ると、それぞれのプロジェクトの中に関連するチャットをまとめておけます。フォルダのようなイメージです。
ただ整理するだけでなく、プロジェクトごとに「カスタム指示(Instructions)」を設定できます。「このプロジェクトでは、自社の飲食店向けのSNS投稿を書くことが目的」「文体は親しみやすく、絵文字は使わない」のような設定をしておくと、そのプロジェクト内のチャットでは毎回その設定が最初から有効になります。
さらにファイルをアップロードして、プロジェクト内のチャットで参照させることもできます。商品リスト、社内マニュアル、よくある質問集などをあらかじめ保存しておくと、「毎回同じ資料を貼り付ける」手間がなくなります。
通常のチャットとプロジェクトの違い
普通にChatGPTを使うと、チャットは個別にバラバラと積み重なっていきます。「先週のメール対応のチャット」「昨日のSNS投稿案のチャット」が混在して、後から探すのが大変になります。
プロジェクト機能を使うと、関連するチャットをひとつの場所にまとめられます。「SNS運用」プロジェクトを開けば、そこには常にSNS関係のやり取りだけが並んでいます。探す手間がなくなり、過去の流れも振り返りやすくなります。
もうひとつの大きな違いは、設定の引き継ぎです。通常のチャットでは、毎回「私は飲食店を経営しています。ターゲットは30〜40代のファミリー層で……」と背景を説明し直す必要があります。プロジェクトに設定を保存しておけば、その説明をしなくても最初から状況を理解したうえで答えてくれます。
プロジェクト機能でできること
プロジェクト機能には、主に3つの使い方があります。
チャットを目的ごとに整理する
プロジェクトを作ると、その中にチャットを作れます。「SNS運用」「ブログ執筆」「スタッフ教育」「顧客対応」など、業務ごとにプロジェクトを分けておくと、チャット履歴が整理されて管理しやすくなります。
「このチャットはどのプロジェクトに入れるか」を考えながら使うことで、ChatGPTの活用が整理されてきます。
カスタム指示でプロジェクトの設定を保存する
プロジェクトごとに「カスタム指示」を設定できます。これは「このプロジェクトのチャットでは、毎回この設定を最初から有効にする」というものです。
たとえばこんな設定ができます。
「私は大阪でイタリアン料理店を経営しています。ターゲット客は30〜50代の女性です。SNS投稿文を書く際は、温かみのある文体で、ハッシュタグを5個付けてください。」
この設定をプロジェクトに保存しておくと、そのプロジェクト内で新しいチャットを始めるたびに、毎回この設定が有効になります。毎回同じ説明をしなくて済むため、すぐに本題に入れます。
ファイルをプロジェクトに保存して参照させる
プロジェクトにはファイルをアップロードできます。保存したファイルは、そのプロジェクト内のチャットで参照できるようになります。
たとえば商品一覧のExcelファイルや、社内ルールをまとめたPDF、過去に作った文章のサンプルなどをアップロードしておくと、「この商品リストの中から夏向きの商品を5つ選んで紹介文を書いて」のように、ファイルの内容を活用した依頼ができます。
毎回同じファイルを貼り付ける必要がなくなり、作業の出発点が一段上がります。
プロジェクト機能の使い方
使い方はシンプルです。
ChatGPTの画面の左側にあるサイドバーを見ると、チャット履歴の上の方に「プロジェクト」という項目があります。「新しいプロジェクト」をクリックするとプロジェクトが作成できます。
プロジェクトに名前をつけて、必要であれば「カスタム指示」に設定を書き込みます。ファイルをアップロードしたい場合は、プロジェクトのファイル管理画面から追加します。
設定が終わったら、そのプロジェクトの中に新しいチャットを作ります。あとは普通にChatGPTを使うのと同じです。プロジェクト内で作ったチャットは、設定を引き継いだ状態で動きます。
ビジネスでの活用シーン
プロジェクト機能は、業務ごとに整理して使うとより効果を発揮します。
SNS運用の専用プロジェクト
「SNS運用」プロジェクトを作り、カスタム指示に「自社の文体・ハッシュタグのルール・ターゲット層」を設定しておきます。ファイルには過去に反響があった投稿のサンプルをまとめたものをアップロードしておくと、毎回一から説明しなくても自社に合った投稿案が出てきます。
週に何本も投稿を作る場合、この設定があるかないかで作業時間が大きく変わります。
ブログ・コンテンツ作成の専用プロジェクト
「ブログ執筆」プロジェクトを作り、「自社のターゲット読者・文体・避けたい表現」を設定しておきます。過去に書いた記事の一覧や、よく使うキーワードリストをファイルで保存しておくと、記事を作るたびに一貫したトーンで書けます。
スタッフ研修・マニュアル作成のプロジェクト
「スタッフ教育」プロジェクトに、接客マニュアルや商品知識をまとめたファイルをアップロードしておきます。「新人スタッフがこういう場面で困っていたとき、マニュアルに基づいてどう対応すればいいか教えて」と質問すると、アップロードした資料をもとに答えてくれます。
マニュアルをChatGPTに読み込ませることで、研修補助のツールとして使えます。
顧客対応文のテンプレート化プロジェクト
「顧客対応」プロジェクトに、よくある問い合わせの例とその回答サンプルをファイルとして保存しておきます。「このクレームメールに返信文を書いて」と頼むと、サンプルのトーンに合わせた返信文が出てきます。
担当者によって返信の質が変わらないよう、一定の水準を保つ効果があります。
プロジェクト機能を使うには何が必要か
プロジェクト機能はChatGPTにログインして使います。
無料プランでもプロジェクトの作成・管理はできます。ただしファイルのアップロードや、より高度なカスタム指示の活用には有料プランの「ChatGPT Plus(月額約3,000円)」の方が向いています。業務で毎日使うなら、有料プランへの移行を検討してみてください。
プロジェクト機能を使うときの注意点
便利な機能ですが、知っておくべきことがあります。
機密情報を含むファイルのアップロードに注意する
プロジェクトにアップロードしたファイルの内容はOpenAI(ChatGPTを作っている会社)のサーバーに保存されます。個人情報・社外秘の情報を含むファイルはアップロードしないようにしてください。社内のセキュリティポリシーを確認したうえで活用範囲を決めることをおすすめします。
プロジェクトの設定は定期的に見直す
業務内容やターゲットが変わったときは、プロジェクトのカスタム指示も更新してください。古い設定のままだと、実態と合わない回答が出てくることがあります。半年に一度程度、設定を見直す習慣をつけると安心です。
チャットを増やしすぎない
プロジェクト内のチャットが増えすぎると、今度はプロジェクトの中が探しにくくなります。定期的に不要なチャットを削除するか、チャットにわかりやすいタイトルをつけておくと管理しやすくなります。
よくある質問
Q: プロジェクトはいくつまで作れますか?
A: 現在のところ、作成できるプロジェクトの数に大きな制限はありません。ただし管理しやすい数にとどめておく方が実用的です。まずは2〜3個から始めて、必要に応じて増やしていくのがおすすめです。
Q: プロジェクトをスタッフと共有できますか?
A: 個人アカウント(ChatGPT Plus)では、プロジェクトの共有はできません。複数のスタッフで同じプロジェクトを使いたい場合は、チーム向けプランの「ChatGPT Team」や「ChatGPT Enterprise」が対象になります。
Q: プロジェクト内のチャット同士でデータは引き継がれますか?
A: 同じプロジェクト内でも、チャットは基本的に独立しています。ただしプロジェクトに保存したファイルや設定(カスタム指示)は、そのプロジェクト内のすべてのチャットで共有されます。「あのチャットで話した内容を別のチャットでも使う」ということはできませんが、ファイルと設定の共有はできます。
Q: プロジェクトは後から削除できますか?
A: はい、プロジェクトは後から削除できます。削除するとプロジェクト内のチャットやファイルも削除されますので、必要なものは事前に保存しておいてください。
Q: 無料プランでもプロジェクトは使えますか?
A: はい、無料プランでもプロジェクトの作成・管理はできます。ただしファイルのアップロードや利用回数には制限があります。業務で継続的に使うなら、有料プランへの移行をおすすめします。
まとめ
ChatGPTのプロジェクト機能を使うと、チャットを目的ごとに整理し、設定やファイルをあらかじめ保存しておけます。
「毎回同じ説明をしなくていい」「使いたいファイルがすぐ参照できる」「業務ごとにチャットが整理されている」この3つが揃うと、ChatGPTの使い勝手が大きく上がります。
まずは業務の中でよく使うテーマを1つ選んでプロジェクトを作ってみてください。カスタム指示に最低限の設定を書き込むだけでも、すぐに違いを実感できます。
