
ChatGPTを使い始めた人が、しばらく経ってから気づく機能があります。それが「GPTs(ジーピーティーズ)」です。
「ChatGPTってチャットするだけじゃなかったの?」という感想が最初のリアクションとして多いです。
GPTsを知ってから使い始めるのと、知らずに使い始めるのとでは、ChatGPTの活用の幅がまったく変わります。今回は、GPTsとは何か、どう使えるのかをわかりやすく説明します。
GPTsとは何か
GPTsとは、特定の目的に特化したカスタムのChatGPTです。
通常のChatGPTは、何でも答えてくれる汎用AIです。料理のレシピも、ビジネスメールも、プログラミングの質問も、何でも対応します。
一方GPTsは、「翻訳専門」「ビジネスメール専門」「SEO記事の下書き専門」のように、特定の用途に絞って設計されたAIです。専門家が一人いるようなイメージです。
ChatGPTには「GPTストア」というページがあり、そこに世界中のユーザーや企業が作ったさまざまなGPTsが公開されています。自分でGPTsを作ることもできますし、他の人が作ったGPTsを使うこともできます。
GPTsを使うとどう違うのか
具体的に何が変わるか、例で説明します。
通常のChatGPTに「ブログ記事を書いて」と頼むと、汎用的な文章が出てきます。そのままでは自社のトーンや読者層に合っていないことも多く、修正が必要です。
一方、「自社ブログ専用のGPTs」を作っておくと、事前に「うちのブログはこういうターゲットに向けて書いている」「こういう言葉遣いを使う」「この情報は必ず含める」という設定を覚え込ませることができます。毎回指示を出し直す手間がなくなり、最初から自社に合った文章が出てきます。
ビジネスで使う場面では、毎回「私は○○の会社で、ターゲットは××で……」と説明し直す必要がなくなる点が大きなメリットです。
どんなGPTsがあるか
GPTストアには現在、数百万以上のGPTsが公開されています。いくつか例を挙げます。
ビジネス文書・メール系
敬語の使い方を確認してくれるもの、議事録の要点を整理してくれるもの、クレーム対応文の下書きを作ってくれるもの、などがあります。
画像生成系
文章で説明を入力すると画像を作ってくれるGPTsもあります。SNS投稿用のビジュアルを作ったり、ロゴのラフ案を出したりするのに使えます。
語学・翻訳系
英語の文章を自然な日本語に訳してくれるもの、反対に日本語のニュアンスを保ったまま英語にしてくれるもの、などがあります。
プログラミング・技術系
コードの書き方を教えてくれるもの、エラーの原因を調べてくれるもの、などITに関する専門的なGPTsも多いです。
調査・リサーチ系
特定のテーマについてリサーチをまとめてくれるもの、市場調査の切り口を提案してくれるもの、などもあります。
自分でGPTsを作れる
GPTsは使うだけでなく、自分で作ることもできます。
「難しそう」と感じるかもしれませんが、プログラミングの知識は不要です。ChatGPTに話しかけるように、「このGPTsにどんな役割を持たせたいか」を日本語で入力するだけで作れます。
たとえばこんなGPTsを作ることができます。
自社の商品説明文を作るためのGPTs。商品名と特徴を入力するだけで、自社のトーンに合った説明文が出てくる設定にしておきます。
スタッフ向けの接客対応マニュアルを確認するためのGPTs。「こういうお客さんが来た場合どうすればいいですか」と質問すると、マニュアルに基づいた回答を返してくれます。
SNSの投稿案を出してくれるGPTs。「今日の料理の写真とともに投稿する文を3パターン出して」と入力するだけで、毎回ゼロから考えなくてよくなります。
一度作ったGPTsは、社内で共有することもできます(有料プランの場合)。スタッフ全員が同じ設定のAIを使えるようになります。
GPTsを使うために必要なもの
GPTsを使うにはChatGPTのアカウントが必要です。
無料プランでも一部のGPTsを使えますが、制限があります。有料プランの「ChatGPT Plus(月額約3,000円)」に加入すると、GPTストアのすべてのGPTsを使えるようになり、自分でGPTsを作ることもできます。
ビジネスで活用したい場合は、有料プランへの移行をおすすめします。月3,000円の費用と比べて、業務の効率化で生まれる時間のメリットがはるかに大きいからです。
GPTsの注意点
GPTsを使う際に知っておいた方がいいことがいくつかあります。
品質はGPTsによって差がある
GPTストアにはプロが作ったものから個人が趣味で作ったものまで様々あります。使い始めて「あまり精度が良くない」と感じたら、別のGPTsを試してみてください。
情報の正確性は必ず確認する
GPTsを含むChatGPT全般に言えることですが、出力した情報が必ずしも正しいとは限りません。特に数字・固有名詞・最新情報は、必ず別途確認してから使ってください。
機密情報の入力は避ける
社外秘の情報や個人情報をGPTsに入力することは避けましょう。どのGPTsに何の情報を入力したかを管理しておくことも大切です。
まず試してみるなら
GPTsを使ったことがない方は、まずChatGPTにログインして「GPTストア」を開いてみてください。
検索欄に「メール」「ブログ」「翻訳」など、自分が使いたい目的を入力すると、関連するGPTsが出てきます。使い方はChatGPTと同じで、チャットボックスに話しかけるだけです。
最初はストアにある既製品のGPTsを試してみて、「こんな設定を追加したい」「自社専用に作りたい」という気持ちが出てきたら、自作に挑戦してみてください。
よくある質問
Q: GPTsは無料で使えますか?
A: 一部のGPTsは無料プランでも使えますが、利用回数に制限があります。制限なく使いたい場合や、自分でGPTsを作りたい場合は、有料プラン(ChatGPT Plus)への加入が必要です。
Q: 社内の情報をGPTsに覚えさせることはできますか?
A: はい、できます。GPTsを作るとき「ナレッジ」としてファイルをアップロードしておくと、そのGPTsはそのファイルの内容を参照しながら回答します。社内マニュアルや商品情報のPDFを読み込ませることで、社内FAQ対応のGPTsを作れます。
Q: スマートフォンでもGPTsは使えますか?
A: はい、ChatGPTのスマートフォンアプリからもGPTsを使えます。操作感はパソコンとほぼ同じです。
Q: 自分で作ったGPTsを他の人に使ってもらうことはできますか?
A: できます。GPTストアで公開することも、特定の人にだけリンクで共有することも可能です。
まとめ
GPTsは、ChatGPTを「自分の仕事専用のAIアシスタント」に変える機能です。
毎回同じ説明を繰り返す手間がなくなり、自社のトーンや業務内容に合った回答が最初から出てくるようになります。既製品のGPTsを使うだけでもすぐに時間の短縮が実感できます。
ChatGPTを使い始める前に「GPTsという仕組みがある」ということを知っておくだけで、活用のスタートラインが変わります。まずGPTストアを開いて、気になるGPTsを一つ試してみてください。
